滝メグラーが行く65 滝コミュニティオフ会 天空の滝へ チャレンジ双門の滝・日本の滝百選 奈良県天川村

滝メグラーになってその存在を知ってからもまず行くことはないだろうと思っていた双門の滝。滝メグラー憧れの滝。百選滝の中でも到達するのが最難関滝のひとつとされる双門の滝に滝コミュニティのオフ会でチャレンジしました。メンバーはJOECOOLさん、Kuropisoさん、フジケンさん、フジケンさんの滝仲間でピナさん(フォートラベラーではない)、そして私の5名。フジケンさんは双門の滝経験者、ピナさんは百選滝99滝制覇の猛者です。
双門の滝は双門一の滝、二の滝、三の滝、双門大滝の総称です。そして双門大滝に辿り着くにはひたすら登山。しかも。登山のありとあらゆる要素、しかも高難度の要素が濃密に凝縮されたコースを進まなければなりません。最後まで気の抜けない、しかもひとつ間違えると命すら保証出来ない、常に‘死’と隣り合わせという緊張を強いられながら、ひたすら双門大滝を目指しました。と、恐ろしいことを書きましたが、この旅行記がアップされたということは全員無事に帰ってきたということです。しかし、その道程は険しく、双門大滝の姿を見た時の達成感と、戻ってきた時の安堵感は言葉では言い表せないほどでした。
これで百選滝は56滝目制覇となりました。今年に限っては22滝目。年内あと4滝、通算60滝を目指します。
ガマ滝滝見難易度:4、双門一の滝滝見難易度:5、双門二の滝滝見難易度:5、双門三の滝滝見難易度:6(ついに出た!)、双門大滝滝見難易度:∞(難易度評価の基準から完全に振り切れている)
参考 滝見難易度0:道路から見える、1:片道徒歩5分以内、2:片道徒歩15分以内、3:片道徒歩30分以内、4:片道徒歩1時間以内、5:片道徒歩2時間以内、6:片道徒歩2時間以上もしくは2時間以内でも特別な装備が必要な場合など。私の旅行記ではほとんど出現することはないと思われる。
注意 滝見難易度はあくまで私の主観によるものであり、また季節や天候により難易度が上がる場合もあります。私の旅行記を参考にされて、「違うかったやんけ」とおっしゃられても責任は負えませんのでご了承ください。また、難易度が高い場合はできる限り単独行は避けるようお願いします。

朝7時に国道309号線天川村熊渡に集合。林道の入口ですが、ゲートが閉まっており進入できません。少し広いスペースがあり駐車可能ですが、すでに先着の車でほぼいっぱい。オフ会メンバーの車を並べてなんとか納まりました。 この日の朝の天川村の気温は2℃(私が泊まった民宿の寒暖計)。寒い。

林道に入ってすぐの案内板。双門大滝までのコースはもともと弥山(みせん)への登山道の前半部分です。通行止めですがそこは自己責任ということで…

林道歩き25分で登山道の入口(左へ下りていく方)があります。林道を車で行くことができればこの場所に駐車します。

スタートして30分強で白川八丁。弥山川ですが一見水は流れていません。実は伏流しているのです。大雨の後などは水が流れていますが、その場合はこの後の歩きが大変になるのだそうです。

やがて水の流れる普通の川になります。

スタートして50分で最初の滝であるガマ滝に到着。落差6mの小さな滝ですが、滝壺が美しい。ここで最初の休憩です。ガマ滝の上流で取水をしているためいつも水が少ない。

ガマ滝からが本格的な登山となります。しばらくは弥山川沿いを歩きます。序の口ですが、鎖場があったり橋があったりとそれだけ険しい地形の証拠です。いきなり目にしたのが巨石が梯子を押しつぶしもろとも川に落ちたもの。なお、写真は下山時に撮影したものです。

次に落石が橋に穴を開けたところ。なお、写真は下山時に撮影したものです。

崩れ落ちた橋。こんな光景が次々と現れます。そんなところはちゃんと?回避ルートができており前には進むことができます。ただし、そんな回避ルートは普通の山の普通の登山道よりははるかにハードでした。なお、写真は下山時に撮影したものです。

しばらくすると再び河原に出ます。何度か渡渉して右岸を進みます。足や手が届きそうで届かないようなところをクリアしながら進みます。時にはエイヤ~で飛びついたりします。

きわどくクリアするJOECOOLさんとそれを見守りつつ不安でいっぱい(?)のKuropisoさん。

その後一気に登りとなり双門一の滝(下)、二の滝に到達。ここまで2時間10分(難易度では2時間以内の‘5’にしていますが、実際休憩込みの時間なので2時間以内で到達できる。でも限りなく‘6’に近い‘5’です)。ここで休憩&撮影タイム。滝の前は開けていて休憩するにはもってこいの場所です。 ところで、下山時に携帯電話をチェックしたところ、この一の滝のところではアンテナが2~3本。この上は双門大滝まで圏内でした。しかしガマの滝や白川八丁、熊渡は圏外でした。ちなみにauです。ドコモとソフトバンクは林道入口の熊渡からずっと圏外。恐るべしau。確かに山では強いです。

一の滝。落差30m。

二の滝。落差20m。

約20分の休憩の後出発。すぐに吊橋を渡ります。このコースで唯一の安心して利用できる人工の建造物でした。

なんという青空でしょうか。月まで出ています。でもこの青空は最後まで我々に恵をもたらすことはありません。というかむしろ邪魔でした。

吊橋を渡ってからは急登の連続。右手では激しい滝の音が聞こえます。二の滝と三の滝の間にはいくつもの無名滝が連続しているようです。残念ながら木々や岩の間から垣間見るだけでした。二の滝から15分で三の滝に到着。ここで撮影タイム。三の滝はコースから少しだけ外れたところにあるので見ずに進む人も多いようですが、我ら滝メグラーはしっかりと抑えました。落差は20m。台風18号のもたらした雨のおかげか、水量は多目と、フジケンさん談。

三の滝でも15分の休憩。スタートしてすでに3時間経過。岩くぐり。そしてここをくぐるとこのコースの真骨頂となります。

いよいよ‘天空への階段’のお出ましです。実は、一の滝のあとの吊橋を渡った直後に最初の梯子がありましたが、本番は三の滝以降です。梯子は全部で32。内4つは下りですが、とにかく物凄い高度差を梯子で稼ぎます。ちなみに、一の滝から双門大滝の展望場所、通称双門テラスまでの水平距離は680m。そして標高差は440mだそうです。平均斜度は?想像しただけで恐ろしい。

暗くてわかりにくいですが、ほぼ垂直に切り立った崖。いたるところにこんな崖があります。

次から次へと現れる梯子。実際に梯子を登っていると物凄い高度感です。そんなところで撮影はできません。自殺行為です。

空中回廊。水平に置かれた梯子。その下に古い梯子の残骸が…足元には何もない。

空中回廊の先は狭いながらも和みのスペースが。素晴らしい絶景が目の前に広がっています。稲村ヶ岳と大日山。

しばらくすると水音が聞こえます。これがミニ双門。ほとんど水は流れていませんが、音は聞こえます。

木によってはすでに紅葉真っ盛り。

多分登山中に下を撮影した唯一の写真。何故撮れたか?いる場所が絶対落っこちない安全なところだからです。下の谷を流れるのが弥山川でその川沿いに歩いてきました。その水平距離と高度を考えるととんでもない登り方をしているのだと妙に納得。 そして、この後最大の難所が待ち受けています。

最大難所の岩場。なんで梯子がないの~と泣きたくなるような岩場です。撮影している私がいる場所はこの岩場直下の梯子を登りきったところ。そこにもたれかかって先行者がこの恐怖の鎖場をクリアするのを待っています。今いる場所は後を振り向くことは絶対できない恐ろしい場所。そんなところに何故鎖だけ??ミスすると絶対に助かることのない絶壁を鎖と、岩のわずかな凹凸だけを頼りに登らなければなりません。落ちると何百メートルも下の奈落の底へ…

そして無事クリア。でも下りはどうすんの~

そしてついに最後32番目の梯子をおります。

ついに双門大滝の見える滝見平、通称双門テラスに到達しました!かっきり4時間。それにしてもこれまでの地形を考えるとこの場所にこんな平らな広いところがあるというのは奇跡です。きっと山の神様の贈り物なのでしょう。

双門大滝の下流部分も段瀑になっています。ここで気付いたのですが、自分のいる場所の下には何もない…げっ、オーバーハングちゃう?急に怖くなりました。

双門大滝の撮影ポイントはこの場所だけ。交代で撮影です。でも我々5人だけの独占です。水量は多目のようでした。落差は70m。もっとあるような気がします。

北向きの双門大滝にとってこの日の撮影条件は最悪でした。もろ逆光でコントラストがきつ過ぎ。

この写真を見ると物凄いところにある滝だということがわかります。

あの滝壺へ行く道はあるのだろうか?ピナさんが探検に出掛けましたが、そう易々と近づけるところではないようです。

双門大滝の向かって右に連なる絶壁は仙人(ぐら)と言います。高さ250mの絶壁です。

写真は情けないものばかりとなってしまいました。曇天の方が写真的にはいいのです。 結局1時間半近くテラスにいました。そしていよいよ下山です。下りのほうがはるかに恐ろしく、はるかに危険です。あの岩場もあります。とにかく事故のないように。それだけです。

下山の様子は登りで載せなかった写真で紹介します。例の岩場は意外と楽にクリアしました。登りのほうがきつかった。もちろん極度の緊張は強いられました。梯子のありがたみは十分に感じました。慎重にリズム良く下りれば危険度はかなり小さいです。実際に下りていくとホンマにこんなとこ登ってきた?と思うような急斜面ばかり。ほとんど2本足で下りたところは梯子だけとちゃうかというほどのものでした。 ここれは馬の背のようなところ。両サイドはもちろん崖。ロープが張ってありますが、それよりも木の根っこを掴んで進みます。

狭~い登山道。鎖を頼りに横歩き。

天空への階段も地獄への階段もとい、天国への階段には幸運にもならず、下の弥山川まで下りてきました。ここまで来ると、まだ危険な場所はありますが、死に直結するようなところはありません。

はしょりますが、白川八丁まで戻りました。まだ40分は歩かなければなりませんが、ゴールしたも同然です。

そしてついにゴールの熊渡。事故もなく全員無事にゴールできました。午後3時58分でした。スタートして8時間50分後でした。 もう二度と双門大滝を見ることはないでしょう。

